アゼルバイジャン ナフタランの原油温泉世界有数の石油産出国として知られ、「火の国」という意味に由来する国名を持つアゼルバイジャン共和国。アゼルバイジャンには世界中から湯治客が訪れるナフタランというリゾート地があります。

ナフタランでは紀元前から皮膚疾患の治療に利用されていたナフタラン浴といわれる原油風呂での温泉療法が有名で、「原油セラピー」や「原油浴」ともいわれる湯治プログラムが医師の指導のもとで行われています。

「奇跡の風呂」と呼ばれ、世界中の人が訪れるナフタランの原油温泉について調べてみましょう。

美しい自然に囲まれたナフタラン

アゼルバイジャンナフタランアゼルバイジャンの首都バクーから北西に320km離れたナフタラン(ナフタレン)地方は、美しい自然ときれいな空気が印象的な人口約8,000人ほどのリゾート地です。

石油を意味する「ナフタ」が語源となっているナフタランを一躍有名にした原油スパ(原油の温泉)は、皮膚病にとどまらず神経障害や婦人科系の疾患、泌尿器科系の疾患などの様々な疾患に効果があるといわれ、アゼルバイジャン国内の人だけではなく、ロシアをはじめとするヨーロッパの近隣諸国やアジアの国々から一年を通して多くの人が療養に訪れます。

療養所を兼ねたナフタランのホテル(宿泊施設)

ナフタランのホテルナフタランには湯治が行える療養所を兼ねた宿泊施設がいくつもあるようで、高級な宿泊施設ではプールやジムなども完備されているようです。

そのような宿泊施設では、まず医師の問診を受けてから、その人の症状に合った療養プランが作成され、医師の指導のもとで湯治が行われるようです。

この画像でも分かるように、ナフタランの原油浴は黒くてドロドロとした高濃度の原油に浸かります。
ナフタラン原油スパナフタラン原油風呂入浴後はシャワーを30分ほど浴びないと原油がとれない上に、石油臭も2,3日は残るといわれるほど強烈な原油浴。副作用などがでないように医師の指導に従って、その人に合った適正な湯治を行う必要があるのも納得ですね。

日本でも有名な湯治場では、看護師さんや保健師さんのように専門知識を持ったスタッフが常駐している温泉施設があります。

皮膚病の治療剤に使用されるナフタランオイル

原油温泉のもととなるナフタランオイルは、1890年にドイツの石油商によって発見されたといわれています。燃料として使うことを期待していたドイツの石油商でしたが、ナフタレンオイルは揮発性化合物を含まないので可燃性ではなく、燃料としては使えませんでした。

しかしナフタランオイルに含まれる薬効成分が様々な疾患に効果があることが分かり、医療目的で使われるようになったそうです。主に皮膚病の治療で盛んに使われているようで、乾癬やアトピー性皮膚炎、魚鱗癬などの皮膚炎や、様々なタイプの湿疹や皮膚のかゆみ等にも効果があるようです。

他にもナフタランオイルには消炎や止痛、リウマチ、関節炎、神経痛、血管拡張、新陳代謝促進や傷を治す効果があり、様々な健康疾患の治療剤として使われています。火をつけても燃えない不燃油ということでも珍しいですが、ナフタランオイルは万病に効く「魔法のオイル」のようですね。

ナフタランでは原油から抽出されたナフタランオイルからできたナフタラン軟膏やクリームなどのスキンケア商品もあるようですが、日本で買えるかは不明です。また、原油から精製された無色透明のホワイト・ナフタランオイルは抗酸化作用にも優れているようで、美容目的でも使われているようです。
ナフタランクリーム

マルコポーロの東方見聞録にも記されたナフタランオイル

太古の昔、シルクロードの要衝だったいわれるアゼルバイジャンで、商人たちが連れていたラクダが病気になって衰弱したため、商人たちは仕方なくナフタランにラクダを置いて遠方の行商に出かけたそうです。行商を終えた商人たちが再びナフタランを訪れると、衰弱していたラクダがすっかり元気になっていたという逸話があるそうです。

この逸話は、ラクダがナフタランに湧き出る油に浸かっていたため元気を取り戻したというお話なのですが、イタリアの商人や冒険家として知られる、かの有名なマルコ・ポーロの口述を記した「東方見聞録」にも、ナフタランに湧き出る原油を「人間や動物の皮膚病に効果がある」と記されているのだとか。

ナフタランの原油浴は遥か昔から数々の逸話や効能が有名だったようですね。

世界に二つしかない原油を含んだ温泉

ナフタランのような原油の温泉は非常に珍しく、世界に二つしかないといわれています。となると、もう一つの原油の温泉はどこにあるのか気になるのではないでしょうか。

なんともう一つの原油の温泉は日本にあります。日本最北の温泉郷として知られる北海道の豊富とよとみ温泉です。昔から肌への優れた効能が有名で、今ではアトピー湯治の代名詞ともいえる豊富温泉も非常に珍しい原油の温泉として知られています。

豊富温泉の優れた効能は皮膚疾患に悩む方々から「奇跡の湯」とも呼ばれ、全国にある約3,200の温泉から特に薬効が高くて療養・保養に優れた温泉を、医師(温泉療養医)が推薦した温泉地100選に認定されています。

ナフタランの原油の温泉と同じように豊富温泉も原油の温泉独特の石油臭がしますが、ナフタランの真っ黒で濃厚な原油風呂と比べるとマイルドです。
豊富温泉世界に二つしかない原油の温泉が日本にあると知って喜んだのも束の間、日本の最北端と知ってガッカリした人も多いかもしれません。アゼルバイジャンよりは行きやすいとはいえ、豊富温泉もまた、多くの人にとってはなかなか行くことができない秘境の地といえます。

しかし一度は行ってみたい希少な温泉なのは言うまでもありません。ナフタランの原油風呂が「奇跡の風呂」ならば、豊富温泉は「奇跡の湯」。世界に二つしかない原油の温泉は、共に訪れる人に「奇跡」のような効能をもたらしてくれるようです。

豊富温泉にも原油からできた保湿クリームや石けんなどのスキン化粧品があります。身近なドラッグストアなどでは手に入りませんが、こちらは日本でも購入できます。

豊富温泉のめぐみ 肌うれし湯治クリーム乾癬クリーム 肌うれし湯治クリーム

豊富温泉については、こちらのブログでも度々紹介していますので、興味のある方は参考にしてみてください。 豊富温泉関連記事はこちら

アゼルバイジャンってどんな国?

今回は主に原油の温泉が有名なナフタランについて調べてみましたが、日本人にとってアゼルバイジャンは、まだあまりなじみがないないかもしれませんね。そこで最後にアゼルバイジャンという国についても少し触れて見ましょう。

アゼルバイジャンの面積は、北海道より少し大きいくらいで人口は約950万人、日本との時差はマイナス5時間くらいです。アゼルバイジャンはアジアとヨーロッパにまたがるコーカサス山脈と、世界最大の湖として知られるカスピ海に面しています。

アジアとヨーロッパの真ん中に位置するコーカサス地方ということもあり、アゼルバイジャンはアジアに属するのかヨーロッパに属するのかという疑問も多いようですが、正確な地理についてはいまいち良く分かりません。

アゼルバイジャンには他にも世界的に有名で魅力的なスポットがたくさんあるようで、第二のドバイといわれるほど近代化が進んだアゼルバイジャンの首都バクーは、カーレースの最高峰F1グランプリが行われるなど、「世界一バブリーな都市」として世界的に注目されています。

2018年にも完成予定の世界一高い超高層ビル「アゼルバイジャンタワー」や幻想的で美しいバクーの夜景、そしてナフタランの原油温泉を体験しに、一度はアゼルバイジャンに行ってみたいですね。