アトピー肌の保湿とワセリンの保湿効果低刺激で安全性が高い保湿剤として知られるワセリン(ヴァセリン)。化粧品類や塗り薬の基材としても幅広く使用されています。

優れた保湿効果で赤ちゃんからお年寄りまで様々な用途で使用されるワセリンは、アトピー肌の保湿剤に使われることでも知られています。

一般的な保湿剤とは異なるワセリンの保湿効果やアトピー肌の保湿、アトピー肌の保湿に使われる主なワセリンの種類などについて見ていきましょう。

アトピー肌の保湿とワセリンの保湿効果

ワセリン(ヴァセリン)の保湿効果健康な肌というのは水分と油分のバランスが保たれていますが、アトピー肌は極度の乾燥状態となっていることが多く、肌を健康な状態に保つための水分量が足りていないといわれています。

そのためアトピー肌の保湿は『肌の水分量を保つための保湿』と『肌の表面を保護するバリア機能としての保湿』が必要と考えられています。

一般的な保湿剤の中には肌内部に浸透して保湿効果を得るものも多いですが、ワセリンは肌内部に浸透しません。

ワセリンも保湿剤と言われることが多いので勘違いしがちですが、ワセリン自体に保湿成分は含まれていません。

あくまでもワセリンは皮膚に水分を与えるものではなく、皮膚の水分が蒸発するのを防ぐためのものと考えるといいと思います。

油は水を通さないという特性を利用して、ワセリンで皮膚の表面に油の膜を作って皮膚の水分が蒸発しないようにして保湿効果を得ています。

ワセリンは被覆性が高く、皮膚の保護作用や皮膚柔軟作用に優れています。皮膚に吸収されないのでアトピーのような敏感肌でも肌への刺激はほとんどないといわれます。

アトピー肌の保湿を目的とする場合、ワセリン自体に保湿成分は含まれていないので、あらかじめ肌に水分を補ってからワセリンを使用すると効果的のようです。

入浴後なるべく早く、肌が水分をたっぷり含んている時や、通常時は化粧水などの保湿剤で肌に水分を与えてから、ワセリンを塗って保湿効果を得るのがおすすめです。

Point

アトピー肌の保湿を目的とする場合は、肌の水分量を補ってからワセリンを塗るのが効果的。

ワセリンの塗り方

ワセリンの塗り方

アトピー肌にワセリンを塗るには、少量を薄く塗るのが基本です。

ワセリンは高純度の油なので室温では固まりやすく、ベタベタした感じが強くなります。保湿クリームのように指先でさらっとすくって塗るつもりが、つい指先に力が入ってしまい必要以上に多くすくって厚めに塗ってしまうことがあるので注意が必要です。

また、ワセリンは他の保湿剤に比べて洗い流すのも大変なので、厚く塗ってしまうと余計に皮膚に残りやすくなってしまいます。

皮膚に残ったワセリンのわずかな不純物が肌に合わず、アトピー性皮膚炎が発症する原因になってしまうかもしれません。

アトピーなどの乾燥性敏感肌にワセリンを塗る時は、まずワセリンを少量すくって手に取り、手のひらで少し温めることで柔らかくなって塗りやすくなります。

柔らかくなったワセリンを手のひらで伸ばして皮膚に塗布するようにすると、少量を薄く塗ることができます。

固いままベタベタ塗ってしまうと、皮膚への影響の他にも衣服が汚れてしまったりするので、ちょっと面倒かもしれませんが、ひと手間かけて上手に使用するようにしましょう。

Point

  • ワセリンは少量を薄く塗るのが基本
  • 手のひらで少し温めることで柔らかくなって塗りやすくなる

アトピー改善に期待できるワセリンの3つの効果

ここまでワセリンの特徴やアトピー肌の保湿に効果的な使用方法を見てきましたが、ひとまずワセリンによって得られる主な効果を3つにまとめてみます。

  1. 油膜によって皮膚の水分の蒸発を防ぐ
  2. 皮膚を外部からの刺激から保護する
  3. 皮膚に吸収されないので肌への刺激や悪影響がほとんどない

上記の3つをアトピー改善に期待できる効果にあてはめてみると次のような感じでしょうか。

  1. 油膜によって皮膚の水分の蒸発を防ぐ → 肌の保湿効果を保つことが出来るので、乾燥によるアトピー性皮膚炎の悪影響を防ぐ効果がある。
  2. 皮膚を外部からの刺激から保護する → 皮膚のバリア機能を補うことでアレルゲン物質の侵入を防ぎ、皮膚本来のバリア機能の回復を助ける。
  3. 皮膚に吸収されないので肌への刺激や悪影響がほとんどない → 肌への刺激がほとんどないのでアトピー肌でも安心して使える。

さて、ワセリンの特徴や保湿効果について見てきましたが、ワセリンは精製度合によっていくつかの種類に分類されます。次はその中でもアトピーに効果的といわれる3種類のワセリンを見ていきましょう。

アトピー肌の保湿に使われる主なワセリン

アトピー肌の保湿に使われる主なワセリン大きく分けてワセリンは純度の低い順から『黄色ワセリン』・『白色ワセリン』・『プロペト』・『サンホワイト』の種類に分けられます。

この中でアトピー肌の保湿に使われるワセリンは精製度を高めた『白色ワセリン』・『プロペト』・『サンホワイト』を使用するのが一般的のようです。

全ての種類のワセリンが薬局やドラッグストアで購入可能ですが、黄色ワセリンについてはアトピーなどの乾燥性敏感肌(ドライスキン)にはおすすめできません。

黄色ワセリンの色味は、ワセリンに残っている不純物によるものです。このわずかに残った不純物が肌に合わず、アトピーを引き起こす原因となることがあるようです。

では『白色ワセリン』・『プロペト』・『サンホワイト』それぞれの特徴などについて見ていきましょう。

白色ワセリン

白色ワセリン白色ワセリンは大きく分けて2つ、『第3類医薬品』に分類されるものと、『医薬部外品』に分類されるものがあります。

『第3類医薬品』に分類される白色ワセリンは「日本薬局方」という国の基準に沿って作られており、主に医療目的で使用されます。もう一方の『医薬部外品』に分類される白色ワセリンは、主に美容目的で使用されます。

基本的に『医薬部外品』に分類されるものよりも『第3類医薬品』に分類される物の方が精製度が高く、『医薬部外品』に分類される白色ワセリンには微量の不純物が残っているといわれます。

しかし『医薬部外品』に分類される白色ワセリンの中にも、「日本薬局方」の基準をクリアした白色ワセリンに劣らない高品質のものもあり、一概には『医薬部外品=低品質なワセリン』とは言えません。

白色ワセリンはアトピーなどの敏感肌の人を含め、多くの人に幅広い用途で使用されていますが、どちらの白色ワセリンも薬局やドラッグストアで購入することができます。

プロペト

ワセリンプロペト白色ワセリンをさらに精製度を高めたのがプロペトです。プロペトは眼科用のワセリンとしても知られ、デリケートな眼球にも使用される高品質のワセリンです。

もともとワセリンは安全性が高く医療機関で使われることが多いですが、精製度が高いプロペトには不純物がほとんど含まれていないので、アトピー性皮膚炎の治療でもよく処方されます。

長く使っても副作用の心配がほとんどないといわれ、皮膚が薄くデリケートな顔や目の周りでも安心して使用できます。プロペトも白色ワセリンと同様に『第3類医薬品』に分類されます。

サンホワイト

ワセリン サンホワイトワセリンの中で最も精製度が高く高純度なワセリンがサンホワイトです。プロペトでも十分高純度ですが、正に最上級のワセリンがサンホワイトです。

以外にもサンホワイトは第3類医薬品ではなく医薬部外品に分類されます。そのためプロペトのように医療機関で処方されることはないようです。例えば歯医者さんの義歯なんかでも必要以上に高品質のものは保険適用外になるので、それに近い考え方なのでしょうか。

先ほど医薬部外品よりも第3類医薬品の方が基本的に精製度が高いと書きましたが、一番精製度が高いワセリンが医薬部外品ということからも『医薬部外品=低品質なワセリン』とは言えないことがわかります。

ワセリンの欠点といえばベタつく使用感だと思います。ワセリンの原料は油なので性質上どうしてもベタついてしまうのですが、精製度が高くなるほど柔らかくなりベタつきも緩和されます。

アトピーの人は低刺激で安全性の高いワセリンを使用している人も多いと思いますが、プロペトでも肌に合わなかったという人は、サンホワイトを試してみるといいかもしれません。

ワセリンでアトピーが悪化する?

ワセリンが低刺激で安全性が高いからと言っても、必ずしも万人の肌に合うとはいえないでしょう。

ワセリンでアトピーが改善した人もいれば、人によってはワセリンを塗ってアトピーが悪化してしまったという人もいるようです。

アトピー性皮膚炎はアレルギー性皮膚炎の1つとされており、何らかのアレルゲンに肌が過敏に反応して症状が現れます。

ワセリンに含まれるごくわずかな成分に反応してしまったり、人によっては新陳代謝機能の低下につながり痒みの原因になることもあるようです。

アトピーの症状は人によって異なります。症状が慢性化しているようなときなどは、なるべく早く専門医に診てもらって適切な処置をしてもらうことを心がけましょう。

ワセリンの特徴と質感

ワセリンは『無味無臭』、『水に溶けない』などの特徴がありますが、もともとワセリンは石油からできています。石油を安全なレベルまで精製して、不純物が含れないくらいに純度を高めて作られたのがワセリンです。

ワセリンの原料となっている石油は、数千から数億年という悠久の時を経て植物が油になったもので人工物ではありません。またワセリンは光や酸素による腐敗が起きにくいという特徴もあります。

皮膚科で処方される軟膏などは、ワセリンをベースにして作られた保湿剤として広く知られていますが、ワセリンの優れた保湿効果は赤ちゃんからお年寄りまで、あらゆる皮膚の状態で使用されます。

保湿クリームのように滑らかに伸びるというより、基本的にワセリンはベタベタした質感が特徴です。

ワセリン(欧文表記:Vaseline)は石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したもの。大部分は、分岐鎖を有するパラフィン(イソパラフィン)および脂環式炭化水素(シクロパラフィン、ナフテン)を含む。ワセリンという場合、一般的には白色ワセリンを指す事が多い。

-Wikipedia-

皮膚を保護するワセリンの効果

ワセリンは保湿以外にも皮膚の保護剤として皮膚の止血や擦り傷、裂傷の防止にも使われます。

ボクシングなどの格闘技が好きな人にはおなじみだと思いますが、ボクサーが止血などの際に顔に塗っているのはワセリンです(ワセリン自体に傷を癒す消毒効果などはありません)。

ボクシングのようなハードなスポーツで出来た傷口にも使用されるように、ワセリンは低刺激で安全性が高いことが分かるのではないでしょうか。

先述したようにワセリン自体に保湿成分は含まれていません。どちらかというと、ワセリンは保湿剤というより皮膚の保護剤という方が適切かもしれません。

ワセリンの特徴と主な効果

アトピー肌の保湿とワセリンの保湿効果やワセリンの種類などについて見てきましたが、ワセリンは低刺激で安全性が高く、皮膚を保護する万能の保湿剤(保護剤)といえそうです。

しかしながらアトピーのような肌トラブルの場合、まずはお医者さんに診てもらって症状に合った適切な処置をしてもらうのが何よりです。

医師の判断のもと、化粧水や保湿クリームなどの保湿剤とワセリンを上手に使い分けて、アトピー肌の症状の緩和や改善に役立ててみてはいかがでしょうか。

ワセリンの特徴と主な効果
  • 低刺激で安全性が高く、全身に使える
  • ワセリンは精製度によって種類がある
  • アトピーには白色ワセリンプロペトサンホワイトがおすすめ
  • ワセリン自体に保湿効果や消毒効果はない
  • ワセリンは皮膚に吸収されないので肌への刺激や悪影響がほとんどない

ワセリンと同じ石油由来の天然油分で作られた保湿クリーム

ワセリンと同じ石油由来の天然油分で作られた保湿クリームアトピー肌の保湿とワセリンの保湿効果などについて紹介してきましたが、最後にワセリンと同じく石油由来の油が原料となっている保湿クリーム『豊富温泉のめぐみ 肌うれし湯治クリーム』をご紹介します。

この保湿クリームは、アトピー湯治で有名な豊富とよとみ温泉の天然油分を主成分にして作られています。

豊富温泉の優れた効能は皮膚疾患に悩む方々から「奇跡の湯」とも呼ばれ、全国にある約3,200の温泉から特に薬効が高くて療養・保養に優れた温泉を、医師(温泉療養医)が推薦した温泉地100選に認定されています。

ワセリンと同様に天然の石油由来の油が原料となっていますが、肌うれし湯治クリームはワセリンのようなベタつきがありません。

ワセリンはどんなに高純度のものでもベタついた感じは残ります。乾くタイミングで痒みを感じたり衣服や布団に付着してしまうのでワセリンを敬遠される人も少なくないと思います。

肌うれし湯治クリームはとてもなめらかでクリームの伸びが良いので、ベタベタした質感が苦手の人でも安心して使用できます。また、石けんやハンドソープで簡単に洗い流せます。

ワセリンのように石油由来の油が原料になっているにもかかわらず、ツルツルすべすべした質感は、この保湿クリームならではの大きな特徴です。

アトピー肌の保湿が目的で、ワセリンのようなベタついた保湿剤が苦手な人にはおすすめです。

興味がありましたら参考にしてみて下さい。

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