アトピー性皮膚炎と乾燥肌の違い

アトピー性皮膚炎は肌が極度の乾燥状態となりますが、必ずしも乾燥肌の重症化した状態をアトピー性皮膚炎と言うかというとそうではないようです。

乾燥からくる肌の見た目や痒みなど、アトピーと乾燥肌は共通するところもあるので、症状が初期の段階ではなかなか区別がつきずらいかもしれません。

そこで今回は「アトピー性皮膚炎」と「乾燥肌」の違いや、乾燥からくる肌の痒みの原因について調べてみました。

アトピー性皮膚炎と乾燥肌の主な違いは以下のような感じになります。

アトピー性皮膚炎の主な特徴
  • アトピーはアレルギー性皮膚炎の一種
  • アトピーは慢性化しやすい
  • アトピーは全身に症状が現れる
乾燥肌の主な特徴
  • 乾燥肌はアレルギー素因を持っていない
  • 乾燥肌は特定の部位が乾燥して全身に広がりにくい

それでは順番にアトピー性皮膚炎と乾燥肌の違いを見ていきましょう。まずはアトピーの特徴からご紹介します。

アトピーは敏感肌

アトピーは敏感肌アトピーの主な症状は「湿疹」と「かゆみ」を伴いますが、先述したように症状が初期の段階では、乾燥肌との区別がつきずらいかもしれません。

しかしながら、どちらかというとアトピー性皮膚炎は『乾燥肌』が重症化した状態というよりは、『敏感肌』という方が適切なのかもしれません。

アトピーはアレルギー性皮膚炎の一種

アトピー性皮膚炎はアレルギー性皮膚炎の1つに数えられ、何らかのアレルゲンに肌が過敏に反応して湿疹性の炎症を繰り返すという特徴があります。

家族にアトピーの人がいたり、なんらかのアレルギー体質の人がいる場合、もともとアレルギーを起こしやすい体質であることが考えられます。

このような体質は『アトピー素因』と呼ばれ、遺伝的要因によってアトピーが発症しやすくなることもあるようです。

世界アレルギー機構(WAO)の定義では、アトピーとは主にタンパク質のアレルゲンに暴露されIgEを産生する傾向のことで、IgEに対する高反応であり、IgE検査(アレルゲン検査)でIgE感作が証明されるまではアトピーとは言えないとされています。

アトピーは慢性化しやすい

アトピー性皮膚炎は、症状を引き起こしているアレルゲンを特定するのが非常に困難なため、完治するのが難しく、良くなったり悪くなったりを繰り返し、アトピーは慢性化しやすくなる傾向があります。

一般的に6ヵ月以上、症状が続くと慢性と判断されるようです。

アトピーは全身に症状が現れる

アトピー性皮膚炎は、特定の部位だけではなく全身に症状が現れるという特徴があります。

乾燥肌は肌の水分保持力が低下した状態

乾燥肌は肌の水分保持力が低下一般的に乾燥肌とは、肌の水分保持力が低下した状態のことを指します。

健康な人の皮膚は潤いを保ち、アレルゲンなどの外からの刺激から肌を守るバリア機能の働きをしています。加齢などの影響で皮脂の分泌が低下すると、皮膚の保湿力が低下して乾燥肌になりやすくなります。

皮脂の分泌が減少して乾燥肌が進行すると、角質層の水分が不足して皮膚がカサカサした状態の乾皮症になります。さらに乾皮症が進むと、強い痒みや水ぶくれのような湿疹を伴う、乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)になることがあります。

このことからも分かるように、乾燥肌が重症化した状態はアトピー性皮膚炎ではなく、乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)という方が適切のようです。

単なる乾燥肌はアレルギー素因を持っていない

乾燥と共に激しいかゆみや炎症を伴うので、乾燥肌が重症化した状態がアトピー性皮膚炎と思いがちですが、単なる乾燥肌はアレルギー素因を持っていません。この点はアトピー性皮膚炎と乾燥肌の大きな違いといえます。

乾燥肌が慢性的になって皮膚の表面がカサカサで炎症を起こし、見た目ではアトピー性皮膚炎とほとんど同じような症状でも、アレルギー検査をしたらアレルギー素因は何も検出されなかったという事も普通にあるようです。

この辺はなかなか自己判断ができないと思うので、症状が慢性化しているようなときなどは早めに皮膚科などでアレルギー検査を受けるようにして、専門医による適切な判断をしてもらうことが、その後の症状悪化を防ぐことに繋がると思います。

乾燥肌は全身に広がりにくい

アトピー性皮膚炎は全身に症状が現れますが、乾燥肌は体のある特定の部位が乾燥して全身に広がりにくいので、アトピーのように重症化しずらいといわれます。

しかし乾燥肌も放っておくと、悪化して乾皮症や乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)の原因になってしまうので、乾燥肌は放置せず、しっかりと保湿によるケアを心がけましょう。

アトピーと乾燥肌の痒みの原因

アトピーと乾燥肌の痒みの原因

肌の表面は皮脂で覆われており、その下には角質細胞という細胞の層があります。角質層で水分を保って肌に潤いを与え、皮脂が膜を作って外からの刺激を防いでいます。

しかし角質層の水分が減少したり皮脂の分泌が低下すると、皮膚の表面が乾燥した状態(乾燥肌)になります。

乾燥肌を放っておくと皮膚に隙間ができてしまい、外からの刺激を防ぐバリア機能が低下して、本来は入って来てほしくないアレルゲンなどの刺激物質が侵入しやすくなり痒みを引き起こします。

皮膚のバリア機能の低下が主な原因で発症するという点では、アトピー性皮膚炎も乾燥肌も共通しています。

まずはしっかりと保湿を心がける

先述したように健康な皮膚は外から異物の侵入を防ぐバリア機能があって、一番外側は皮脂膜で覆われています。皮脂膜の下には角質細胞や角質細胞間脂質があって保湿効果を保っています。

しかし肌の乾燥などが原因で皮脂膜が取れてバリア機能が低下した皮膚は、正常な水分量を保てなくってしまいます。

その結果、痒みで搔いて湿疹ができると、さらに痒みを感じてはまた搔いてしまうという痒みの悪循環を繰り返して皮膚の状態が悪化していきます。

このような悪循環を繰り返してアトピーなどの皮膚疾患にならないように、まずはしっかりと保湿によるスキンケアを心がけましょう。

アトピーと乾燥肌の主な違い

今回はアトピーと乾燥肌の違いや、乾燥からくる肌の痒みの原因について調べてみました。

ちなみにアトピーとはギリシャ語で『奇妙な』とか『不思議な』という意味があるそうです。原因が分からず奇妙で不思議な皮膚炎ということがアトピー性皮膚炎の語源となっているのですね。

このことからもアトピーは単なる乾燥肌とは違うということが分かるのではないでしょうか。最後にアトピーと乾燥肌の主な違いをまとめておきます。

アトピーと乾燥肌の主な違い
  • アトピーはアレルギー性皮膚炎の一種
  • 乾燥肌はアレルギー素因を持っていない
  • アトピーの症状は全身に現れる
  • 乾燥肌は特定の部位が乾燥して全身に広がりにくい
  • アトピー性皮膚炎は『乾燥肌』というより『敏感肌』