赤ちゃんのためのアトピー対策赤ちゃんのアトピーは遺伝や母乳などの影響が関係しているのでしょうか。難治性の皮膚病であるアトピー性皮膚炎は解明されていないことが多く、赤ちゃんのアトピーについても様々な意見があるようです。

そこで今回は赤ちゃんのアトピーが発症する原因や母乳との関係性、妊娠中の過ごし方や貴重な研究結果で明らかになった赤ちゃんアトピーの予防法などをご紹介します。

妊娠中に気を付けること

妊娠中のためのアトピー対策何はともあれお母さんの健康状態が良いことがとても大切です。お母さん自身が健康を阻害してしまうようなマタニティライフを送っていたら、お腹の赤ちゃんに悪影響なのは言うまでもありません。

生まれてくる赤ちゃんのことばかりが気になってしまうのは仕方がないとして、妊娠中はお母さん自身の健康にも気をつけなくてはいけません。

規則正しい生活習慣とバランスのとれた食生活を心がけ、ストレスを溜め込まないように調和のとれた生活を送ることが何よりです。

妊娠中はアレルギーに過敏になることも

妊娠中はホルモンバランスの変化によってアレルギーに過敏になることもあるようで、妊娠前には全然なんともなかったのに、妊娠をきっかけに紫外線アレルギーなどで皮膚炎が悪化したということも珍しくはないようです。

また、お腹の赤ちゃんへの影響を考慮して、これまで飲んでいた薬を控えた結果、薬によって抑えられていたアレルギー症状が出やすくなってしまうこともあるでしょう。

妊娠中は薬の影響が最も心配な時期です。アレルギーなどの辛い症状が出た時は早めに医師に相談して適切に対処するようにしましょう。

アトピーは遺伝するの?

赤ちゃんアトピー対策アトピー性皮膚炎はアレルギー性皮膚炎の1つで、何らかのアレルゲンに肌が過敏に反応して症状があらわれます。両親のどちらかがアレルギー体質であった場合、赤ちゃんにも遺伝する可能性があるといわれています。

アトピーを発症しやすい体質となる遺伝要素は「アトピー素因」といわれ、アトピー素因は確率的に遺伝するようです(遺伝する確率は調査する団体などによって異なります)。

しかし赤ちゃんに遺伝したとしてもアトピーを発症するとは限らないし、遺伝的要素というのは避けらるものではありません。

両親のどちらかがアレルギー体質だった場合、赤ちゃんへの影響を心配しない親はいないと思いますが、必要以上に心配してストレスを抱え込んだりしないように心がけましょう。

赤ちゃんアトピーの原因は?

アトピー性皮膚炎は乳児期(生後2~3か月)に発症しやすいと言われていますが、アトピーを発症する原因が親と一緒とは限りません。

例えば生後3か月頃までにアトピー性皮膚炎の症状がみられる赤ちゃんは、食物アレルギーが原因となっていることもあるようですが、お母さん自身が食物アレルギーだからといって、そのまま赤ちゃんに影響することはないといわれています。

アレルギー体質は遺伝しても、食物アレルギーそのものが遺伝するという医学的根拠はないそうです。アトピー性皮膚炎の原因はまだ解明されていないことが多いですが、赤ちゃんのアトピーも例外ではなく、これといった原因は特定されていません。

現在は「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」を別の病気と捉え、両方を発症しているという考え方が最も適切とされているようです。また、乳幼児は「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」の両方を発症することが多く、0歳の赤ちゃんでは半数以上が合併しているといわれています。

先述した遺伝的な要素や、ダニなどのハウスダストが原因となってアトピーを発症することもあります。赤ちゃんの肌はデリケートな上に免疫機能も弱いので、赤ちゃんは生活環境の様々な影響を受けやすいといえます。

オムツかぶれや衣服のこすれが赤ちゃんのストレスとなって免疫力を低下させたり、よだれや食べこぼしが原因で、赤ちゃんは肌を汚してしまう機会も多いでしょう。

日頃から赤ちゃんの肌を清潔に保ち、お部屋はこまめに掃除して、アトピー発症の原因となるアレルゲンが発生しずらい生活環境を整えることが大切です。

赤ちゃんのアトピーと母乳の関係

赤ちゃんのアトピーと母乳赤ちゃんのアトピーに母乳が影響するという意見を目にすることがあります。母乳はお母さんの血液の成分から出来ているので、お母さんの食するものによって、母乳の成分も多少異なるのかもしれません。

赤ちゃんは母乳から栄養をもらっています。しかしながら母乳とアトピーの関係性については諸説あり、はっきりとした確証はないようです。アトピー体質のお母さんの母乳を飲んだ赤ちゃんが、アトピーを発症しやすくなるということもないといわれています。

例えば母乳を飲んでいる赤ちゃんがアトピーを発症したとして、お母さんがアトピー体質だったとしたら、母乳ではなくお母さんのアトピー体質が赤ちゃんに遺伝したと考える方が自然だといえるでしょう。

母乳育児中だからといって、お母さんが食べるものを過度に心配をすることはなさそうですが、お母さん自身のためにも授乳中は栄養バランスの良い食生活を心がけて、心身ともに健康的に過ごしましょう。

乳児湿疹とアトピー

乳児湿疹とアトピー生後間もない赤ちゃんや2歳くらいになるまでの乳幼児期に見られる乳児湿疹は、アトピーの症状と非常に似ていて乳児湿疹とアトピーを見分けるのはとても難しいといわれます。

乳児湿疹は赤ちゃんの成長と共に自然に治まっていくようですが、症状が慢性的に続く場合などはアトピーの疑いも考えるられるので、なるべく早めにお医者さんに診てもらうようにしましょう。

赤ちゃんアトピーの予防は保湿が大事

赤ちゃんアトピーの予防は保湿クリーム
アトピー性皮膚炎の発症を予防するには、新生児期から保湿クリームなどの保湿剤で肌を保湿すると効果が高いことが、国立成育医療研究センターの研究によって明らかにされています。

この研究では、家族に少なくとも1人以上のアトピー既往歴があり、アトピー性皮膚炎の発症リスクが高い新生児118人を対象にして、アトピーの累積発症率を比較しています。

赤ちゃんは毎日保湿剤を塗るグループ(59人)と、乾燥した局所にのみワセリンを塗る(59人)2つのグループに分けて検証が行われました。

その結果、毎日保湿剤を塗っていた赤ちゃんのグループは、もう一方のグループの赤ちゃんに比べて、アトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上(34%)も低下することが世界で初めて明らかにされました。

ちなみに32週にわたって行われた検証を最終的に診断した皮膚科の専門医は、赤ちゃんがどちらのグループの赤ちゃんなのかは知らされていなかったそうです。

この結果からも赤ちゃんの頃からしっかり肌を保湿ケアすることで、アトピー予防の効果がとても高いことがわかります。赤ちゃんもお風呂上りなどは乾燥しやすくなるので、保湿ケアは欠かさないように心がけましょう。

赤ちゃんのアトピー対策まとめ

  • 妊娠中はお母さん自身の健康状態が何より大事
  • 親のアトピー体質は遺伝しても赤ちゃんがアトピーを発症するとは限らない
  • アトピー発症の原因となるアレルゲンが発生しずらい生活環境を整える
  • 母乳が原因で赤ちゃんがアトピーを発症するという確証はない
  • 赤ちゃんのアトピー予防は保湿が効果的

アトピー性皮膚炎の参考サイト

公益財団法人日本アレルギー協会さんの「よくわかるアトピー性皮膚炎」で、アトピー性皮膚炎のメカニズムについて詳しく解説されています。

九州大学さんの医学部皮膚科学教室のサイト「アトピー性皮膚炎の標準治療」では、アトピー性皮膚炎の治療を分かりやすく図解と動画で解説しています。